令和4年2月10日、松本市の総務委員協議会が開催され、松本城周辺のまちづくりに関する「松本城三の丸エリアビジョン」の議論が行われた。
市が提案したこのビジョンは、公民連携で進めるまちづくりを目指しており、松本城を核とした地域の魅力向上や市民参加型の取り組みを重視している。協議の中で、お城まちなみ創造本部長の米山順一氏は、「松本城周辺のエリアビジョンは、市民とともに作り上げるもの」と強調した。
ビジョンの策定過程に関しては、様々な意見を参加者から受け取ったことが述べられ、特に「地域貢献」や「環境対策」といった新たな観点が取り入れられた。具体的には、入札方式の評価項目見直しに合わせて、企業の技術力や社会貢献度を評価する制度を策定するなど、進展を見せている。これにより、品質の向上を図る狙いがある。
ただし、議論の中で強調されたのは、区域内における本庁舎敷地の在り方である。現在、庁舎建設については議員協議会での継続協議中であり、地蔵清水・柳町界隈における取組方針については、意見が分かれる結果となった。委員らは、広場的空間創出の背景にある決め打ちの記述を懸念し、その表現を見直すべきとの反対意見が続出した。
また、近藤潔総合戦略室長は、「本庁舎が全てを決めるわけではなく、地域の声を反映しつつ進めていく」とコメントし、最終的には市民と共に進んでいく意向を示した。このような意見が交わされる中で、議員たちが様々な視点からこのビジョンについての討論を行い、その実現に向けた具体的な対応を求めている様子が伺えた。
市にとって松本城は歴史的な重要性を持ち、松本の文化や観光の中心であるだけに、今後のエリアビジョン実現に向けた課題をクリアにするためのプロセスが重要とされ、引き続き議論が必要であるとの合意が形成された。