令和3年1月15日、経済地域委員協議会が開催され、主要議題は事業棚卸しの方針についてであった。委員たちは、基本構想2030が策定されていない現段階での事業棚卸しに対し懸念を表明し、承認し難いとの結論に達した。
初めに市民相談課長の内山博司氏が、(仮称)松本市無料低額宿泊所に関する条例案の意見に対する結果を報告した。この条例案には、入居者の出身地に関する要件を明記することに対する意見があったが、市は基本的人権の観点からこれを否定する姿勢を示した。
続く地域づくり部の高橋伸光課長の説明においては、地域づくり部における事業棚卸しの結果が報告された。黒字化の面で効率化を図る事業が8件の見直し候補に挙がっているが、太田更三委員は、「より大きな市の方針が決まるまでは、この棚卸しについて議論するべきではない」と述べ、その時期を懸念した。
一方、商工観光部の小口一夫課長も事業棚卸しの報告を行った。商業ビジョンにも基づく事業が将来的に廃止される可能性が懸念され、質疑では市民の声を聴取する機会がなかった点が指摘された。
最終的には、農林部における事業に関する懸念も挙がり、芝山稔委員は、「過去の施策が重視されず、見直しが行われる背景に疑問がある」と発言した。このような意見が相次ぐ中、委員の多数が事業棚卸しが2030の基本構想に即して行われなければならず、予算計上を控えるよう求めた。
会議は、基本構想2030が未策定の状態で予算措置も控えるという決議にまとまり、今後の方針については引き続き慎重な協議が求められることとなった。これにより、基本構想に基づく確固たる方針の下、次期の施策検討が進められる必要があることが再確認された。