令和2年6月18日、経済地域委員協議会は松枯れ対策や大雨による上高地の被害対応について協議した。
松枯れ対策において、耕地林務課長の岩田公晴氏は、樹幹注入を予定していることを報告した。従来の薬剤散布を中止する代替措置としての試験的な施工が、穴沢地区で行われる。これにより、効果の検証が進む見込みである。さらに、850本のアカマツが樹幹注入の対象となり、施工は9月中旬から開始される予定である。
岩田氏は、「樹幹注入の施工は一般的には秋から冬に行っているが、夏期施工についても実証段階で可能であることが確認できた」と述べ、施工の際の技術的な面や法的な制限について説明を加えた。委員の芝山稔氏は、急遽問い合わせを行った経緯に疑問を呈し、その結果を適切に県に伝える必要性があると強調した。
さらに、神津ゆかり氏からは使用薬剤に関する質問があり、夏期推奨品としてのマツガードについて確認した。岩田氏は、県の林業総合センターで実証されている薬剤の安全性について説明をし、適切な時期に使用できるよう今後も進めていく意向を示した。
また、大雨による上高地の被害対応について、山岳観光課長の二木昭彦氏が報告を行った。被害状況は河川の流路変化による仮設道の流失や、崩落箇所が見受けられた。次期協議会で更なる詳細を報告する方針である。委員からは、今後の復旧計画や安全確保に対する対応策についての不安が表明され、慎重な判断が求められることとなった。
委員長の吉村幸代氏は、松枯れ対策は長期的な取り組みが必要であると述べ、さらに情報収集を進めるよう求めた。会議では、報告内容についての不正確さへの遺憾の念も表明され、今後の進め方が検討されることとなった。以上の議題を経て、経済地域委員協議会は閉会した。