令和2年6月4日、議員協議会が開催され、松枯れ対策に関する議論が行われた。
市長の臥雲義尚氏は、前回の協議会に引き続き、松枯れ対策として薬剤空中散布の中止及び代替案の提示を行う方針を示した。これに対し、議員からは様々な意見や要望が寄せられた。
議会では、松枯れ対策として空中散布の代替策である樹幹注入を主に議論した。農林部長の林浩史氏は、空中散布が松枯れの原因であるマツノザイセンチュウを運ぶマツノマダラカミキリの駆除を目的としており、樹幹注入は入ったセンチュウを駆除する方式であることを説明した。
太田更三議員は、伐倒駆除を用いるべきだとし、薬剤散布や樹幹注入の効果について疑問を呈した。彼は、松くい虫被害の現状やそれに伴う松の枯死率なども踏まえたうえで討論を要求した。これに対し、市長は現状をしっかりと把握した上で、樹幹注入に向けた確実な施策を進める意向を示した。
一方、議会の他の議員たちからも、地元住民との合意形成が重要であるとの意見が多数表明された。特に、空中散布の要望が出ているにもかかわらず、その選択肢を排除しないことを求める意見が多く見られた。地元住民が空中散布を強く望んでいることを受け止め、市長にはその意見も反映させるべきと議員たちは強調した。
また、地域の環境問題についても、個人の森林や神社などの管理が重要で、市民グループの取り組みにも補助金を出すべきだとの意見が出た。市長は、今後の諮問機関においてこれらの課題を検討することを約束した。
最終的に、今回の議論では空中散布の方針転換に対し賛否が分かれた。議会は、地域住民との合意形成が不可欠であり今後の具体策を明確に提示するよう求めた。
今後は、松本市全体の松枯れ対策を考慮し、市民や議会とのコミュニケーションを強めていくことが求められている。