令和3年3月19日、松本市の議員協議会が開催された。
この会議では教育長予定者・伊佐治裕子氏から所信表明が行われた。伊佐治氏は市役所の38年間の経験を基に、個々の子どもの権利を重視する教育環境の整備を目指す考えを示した。
所信表明において、伊佐治氏はまず子ども権利条例を尊重し、多様性を重んじる教育環境の構築の重要性を強調した。彼女は「子供の個性を大切にし、支援を受けられる環境を実現したい」と述べた。この発言には、教育環境の改善を求める意図が感じられた。
次に、伊佐治氏は学校現場で、教師が活力を持って教育に取り組むことが肝要であると強調した。「現場の声に耳を傾け、教員の負担を軽減したい」と語り、教師が安心して指導に専念できる環境整備に向けた施策に意欲的である様子が窺えた。
さらに、文化や伝統を尊重する地域づくりについても触れ、学び続けることの重要性を訴えた。文化薫る松本の街は、先人たちによって育まれたものであり、その維持に努める意向を示した。市民が『生涯学び続ける街』を目指すと宣言した。
質疑応答では、吉村幸代氏が教育委員会の独立性について質問した。吉村氏は「市長部局からの独立性が保たれるか不安視されている」と指摘した。伊佐治氏は「教育委員会は独立性を保ちつつ、必要な部分で市長と連携していくことが重要である」と返答した。
更に、池田国昭氏が「日の丸君が代問題」に関して強制しない姿勢を求める発言をし、学校における子供たちの声を反映させる重要性を訴えた。伊佐治氏は、この問題に関して「学校の校長の判断に基づいて行われるべき」としつつも、強制で行いたくないという応答をした。
議長の村上幸雄氏が質疑を締めくくり、「教育長予定者の所信表明を終える」と宣言した。会議はここで閉会となり、議員全員が次のステップに進む意気込みを表明した。