令和6年2月21日、松本市において定例市議会が開催され、市政へのさまざまな質問が議員によって行われた。
最初に、政友会の太田正徳議員が「楽都まつもとの未来」について質問した。マエストロ小澤征爾氏が去る2月6日に逝去したことが衝撃を与え、多くの市民が彼の功績を振り返った。
太田議員は市民として、音楽と文化が根付く松本市の役割について質問し、小口文化観光部長が「小澤氏の功績はサイトウ・キネン・オーケストラの設立を通じて市民とともに音楽文化の発展を図ってきた」ことを述べた。また、音楽祭の開催による市のブランド価値の向上も強調された。
次に、交通安全の取り組みについての質問があり、特に冬季の交通事故件数に関するデータが示され、危機管理部長が危険要因や事故防止策を発表した。
また、高齢者や脆弱な立場にある市民への移動支援策が議論される中、太田議員が公共交通機関へのアクセスの不足を指摘した。特に、運転免許を返納した後の高齢者が抱える困難が浮き彫りになり、地域社区との連携やタクシーの利用促進策が求められた。
この問題に対し、加藤健康福祉部長は「高齢者を対象とした公共交通手段の拡充については課題が多いが、地域による支え合いも重要」と説明し、進められているバスなどの福祉的な支援について言及した。
その後、市営住宅の入居者の高齢化に関する議論がなされ、高齢者を対象とした住宅政策の必要性が提起された。住民自治局長は、市民に寄り添った支援体制のあらゆる面を向上させる努力を約束した。また、地域との協働を深めていくための取り組みについても話し合われた。
最後に、部活動の地域クラブへの移行についても質疑が行われ、教育長が「部活動の地域移行を進める上で、指導者の資質向上が重要」と述べ、この方向性についての理解を示した。