令和3年10月29日、松本市議会第3回臨時会が開催された。
この臨時会では、議員辞職の報告と、それに伴う議事が行われた。
青木崇議員及び小林あや議員の辞職が報告され、両名の辞職願は許可された。続いて、令和3年度一般会計補正予算について、市長の臥雲義尚氏が提案理由を説明した。主な内容は、長野県議会議員補欠選挙を執行するための緊急の補正措置であり、歳入の一部として県支出金を追加し、歳出項目には人件費や事務費などが計上されている。市長はワクチン接種の進展を強調し、経済活動の回復に向けた取り組みを加速する意向を示した。
さらに、決算特別委員長の中島昌子議員は、令和2年度の歳入・歳出決算について報告した。一般会計の歳入は1,803億8,869万円、歳出は1,766億2,291万円で、黒字決算となった。委員からは、住宅新築資金貸付事業の貸付金滞納者状況について質疑があり、市長は債権の回収困難な状況を遺憾とし、解決策を検討中であることを明らかにした。また、生活保護申請時の扶養照会についても質疑があり、市長は法定受託事務であるため独自に照会を行わない立場を表明した。
加えて、松本市の財政状況についても触れられ、国からの補助金による収入増が黒字決算に寄与した点を指摘した。特に、ふるさと納税制度が新型コロナウイルス感染症に伴う巣籠もり需要の増加により収入増につながったことも報告された。
議案第9号と第10号は審議の結果、共に認定された。上條一正議員は新庁舎建設計画に対する積極的な議論が不足していると指摘し、議論の必要性を強調した。池田国昭議員も同様に、新型コロナウイルス対策に関連した施策の不足を指摘し、今後の市政運営の方向性を問い直す必要があると述べた。
この臨時会では、松本市が直面する新型コロナウイルス感染症対策や経済回復に関連する重要な議題が取り上げられ、議論が行われた。市長は、観光需要回復のための取組を進め、さらなる市民への支援を検討する姿勢を見せている。