令和3年1月28日、松本市で政策討論会が開催され、地域農業の未来を考える重要な議論が行われた。
主な議題は、経済地域委員会から提出された「スマート農林業の推進について」だった。議長の村上幸雄氏は、農業の現状を鑑み、地域を活性化する政策提言書素案について討論すべきを呼びかけた。
経済地域委員会の吉村幸代委員長は提言書の説明を行い、パブリックコメントや意見聴取を経た内容が盛り込まれていると強調した。議員たちからは、農業が抱える高齢化や後継者不足などの問題意識が表明された。
池田国昭議員は、農業の根本的な問題に言及。その中で、農業では暮らしていけないとの声が多いことが指摘された。高齢化や就業人口の減少は現象であり、根本的な原因を把握する必要があると述べた。また、農業に取り組む後継者が育たない原因として「農業では収入が得られない」との意見を紹介した。
吉村委員長は、農業は単に食物を生産するだけでなく、美しい風景を維持し、教育を次世代に伝える重要な産業であると訴えた。地方創生や観光振興に直結する農業の意義を再確認し、地域に根ざした取り組みの重要性を示した。
討論では、議員たちから様々な意見が発表された。上條俊道議員は農業のスマート化の必要性を強調し、農業が持つ多面的機能を最大限に活かせることを期待した。牛丸仁志議員は、デジタル技術を活かした品質向上の重要性を挙げ、信頼性のある農産物を生み出すための努力を求めた。
今回の議論を通じて、農業の厳しい現実を再認識しつつも、未来に向けた明るい展望も語られた。議会は政策提言書素案を了承し、これを基に、今後の施策に反映させる方針を示した。新たな農業政策が地域活性化に貢献することが期待される。