令和3年5月25日に開催された経済文教委員協議会では、活発な議論が展開された。特に松本市文化芸術推進基本計画の策定や、地域づくりに関する新たな試みが注目を集めている。
松本市文化芸術推進課の石川善啓課長は、基本計画が新しい文化創造の基盤となることを強調した。計画は地域文化の振興に資し、特に伝統文化の継承についても配慮がなされるとのことだ。地域住民からの意見収集を目的にしたワークショップなども今後開催される見込みだ。
また、旧開智学校校舎を含む文化財保全への取り組みも重要視されている。文化財課の博物館長・木下守氏は、設置予定の防災計画に関し、エンジンポンプの更新や防犯カメラの設置などの計画を明らかにした。その中で、特に防災体制の強化が求められていると述べ、より安全な文化財管理を目指す意向を示している。
一方で、観光プロモーション課の小口一夫課長は、観光回復に向けた取り組みが必要な背景について言及。コロナ禍の影響で厳しい状況にある観光業界への支援策を模索し、今後の企業支援やプロモーション活動の計画について議論が行われた。
また、町会加入率76%という統計データに基づき、自治活動に対する関心の薄さも指摘された。これに対し、地域づくり課の課長は、情報提供のあり方や加入促進の施策を検討する意向を示し、地域の絆を深めるためのさらなる工夫が求められた。
加えて、学校給食センターに関する議論も行われ、センターの改築や小中学校の部活動の多忙化解消について、予算や人員配置の見直しが急務であることが確認された。教育長の伊佐治裕子氏は、より多様な支援制度の確立を目指し、教職員の負担軽減を図る重要性を訴えた。
このように、経済文教委員協議会は、松本市の文化、観光、教育の各分野における今後の方向性を視野に入れつつ、より具体的な施策につなげていくための意見交換の場として重要な役割を果たしている。