令和5年6月の厚生委員協議会では、介護保険事業計画など多岐にわたる議題が審議された。
特に、第9期介護保険事業計画・高齢者福祉計画の策定に関する議論が注目を集めた。委員長の横内裕治氏は、計画の重要性を強調し、緻密な準備を求めた。質疑応答では、上條美智子委員が「介護サービスの情報周知の不足が、施設の選択に影響している」と指摘した。
高齢福祉課長の高木寿郎氏は、アンケート調査によるデータを基に、「特にない」とする意見やサービス内容の周知に力を入れることを説明した。それに対して上條委員は、自宅での介護経験から、情報不足が介護環境に与える影響について考察し、理解を示した。
令和4年度の高齢者福祉入浴券の利用状況についても話題に上った。吉村幸代委員は、今後の進め方について、選択肢の多様性を求めた。この入浴券が、体験から生じた意見を基に見直される必要があると訴えたためである。課長の勝家知子氏は、「健全な運用手続きの見直しを図る」と答え、聞く耳を持つ姿勢を示した。
また、新型コロナウイルス感染症の自主検査費用に関する補助事業の見直しも行われ、特に通所利用者への対応について質問が出るなど、慎重な検討が求められている。
医療事故に関する報告の際、事務部長の渡辺敏明氏が、事故原因について「管理体制に大きな問題があった」と述べたことも注目された。上條美智子委員からは、「医療従事者の責任が強調され、責任の境界が曖昧になってはいけない」との意見が出るなど、参加者間で誠実な議論が行われた。最後に、健康福祉部長の加藤琢江氏が、今後の計画を進める方針を述べ、閉会した。
この会議を通じて、参加者は市民に寄り添った福祉政策の必要性や、持続可能なシステムの構築に向けた意識を高めている。