令和4年9月28日、松本市議会は市有財産の貸付に関する議案について審議を行った。議会では、顧みられる必要がある案件が多くあった。
臥雲義尚市長が提案した議案第23号は、市有地を株式会社Blue Resort乗鞍に無償で貸し付ける内容であった。この議案は、先日否決された議案第22号の内容を変更したもので、スキー場ゲレンデ敷地として使用される69万9,229.06平方メートルを対象としている。
議長の芝山稔氏は、提案理由の説明を行った後、質疑に入ろうとしたが非公開の議論となった。 議案第22号については、貸付料の根拠や契約内容に関して懸念が示されていたため、質疑に対する通告がなかったため自動的に質疑は終結となった。そして、議案第23号は総務委員会に付託されることに決定した。
その後、総務委員長の川久保文良氏が、委員会での審査結果を報告した。無償貸付けの適切性が問題視され、質疑の結果、附帯決議が提案された。議案には、普通財産の貸付けにおける公平性や適正な対価を算定する基準を見直す必要があるといった条件があり、多くの議員から了承を得た。
また、無償貸付けに対する懸念として、番田市有地の貸付契約についても議論が持ち出された。前議案に対する質疑と同様に、貸付料の根拠の明確化の必要性が強調され、新たな契約締結に際しては、明確な基準を求める声が上がった。
さらには、議案第23号の採決が行われ、賛成多数で可決された。総務委員会から提案された附帯決議が日程に追加され、適正な賃貸料の算定方法や契約内容の見直しが提案されることで、今後の契約に対する透明性が期待される。
臥雲市長は、議会における議論を大事にし、市民の懸念を解消するための努力をすると強調した。議会内での理解を深め、今後の行政運営に活かす旨も表明した。