令和3年6月17日に開催された飯山市議会定例会では、主に令和3年度の一般会計補正予算に関する議案や一般質問について議論が行われた。特に、新型コロナウイルスの影響に対する支援策が焦点となった。
市長の足立正則氏が提案した補正予算の概要には、生活困窮世帯への支援金340万円を含む他、教育費として文化交流館「なちゅら」にかかる空調設備の改善経費2,200万円が盛り込まれている。特に新型コロナウイルスの影響で、支援金においては国の制度を利用しつつ、市独自の支援が追加されることが強調された。また、この補正により一般会計の予算総額は145億6,166万7,000円に達するとされ、より充実した施策の実施が期待される。
一般質問では、吉越利明議員が新型コロナウイルスワクチン接種に関する問題点を提起した。具体的には、65歳以上の高齢者への接種進捗状況や、副反応に関する対策が問われた。鈴木靖史民生部長は予約状況について答え、6月12日時点で1回目接種者が2,595人、2回目接種者は626人とのデータを示した。ワクチン接種の予約時における電話がつながらないといった声への改善策が今後求められる中、制度の周知についても鈴木部長は力を入れていく姿勢を見せた。
さらに、地域医療の充実に向けた「医師奨学金制度」についての質問もあり、今後の施策強化が期待される。市長は、医師確保の重要性を訴え、地域医療体制の維持に向けた取組を進める考えを示した。また、教育行政においては松木教育長が少子化対策に対する意見を述べ、地域に根ざしたふるさと学習の重要性を強調したことが印象的であった。
今回の定例会では、住みやすい地域作りのための予算確保や医療体制の充実、教育の発展に関して多くの意見が交わされ、市民生活に密接に関連した議論が展開された。政府の新型コロナウイルス対策に対する動向や予算等の動きが市に影響を与える中で、議員一同が未来に向けてどのような選択肢を模索していくのかが問われる重要な会議であった。