令和5年12月1日、かすみがうら市議会では第4回定例会が開催された。市内の教育環境改善に向けた重要な施策が議論された。
一般質問では、来栖丈治議員が不登校やいじめに対する緊急対策について言及した。文部科学省が発表した調査によると、不登校の小中学生は全国でおよそ30万人、いじめの重大事案も過去最多の923件に達しているという。特に、かすみがうら市では小中学生の不登校率が4.27%と全国平均を上回っている。
来栖議員は、令和5年10月に取まとめが行われた「不登校・いじめ緊急対策パッケージ」の具体的な内容を教育長の井坂庄衛氏に質した。井坂氏は、不登校児童生徒全ての学びの場の確保、心の小さなSOSの早期発見、情報発信の強化の3つの柱が掲げられ、特に令和6年度からは中学校に校内フリースクールを設置する計画が進められていると説明した。
不登校施策の一環として、教育支援センターのアウトリーチ機能強化も進められている。来栖議員は、訪問支援の具体的な計画と現状についても尋ねた。井坂氏は、家庭訪問を行うことで個別支援を拡充する意向を示した。地域の大人や団体が関与し合うことで、不登校の解消を図る必要性が強調された。
次に来栖議員は、下稲吉地区の小中学校における給食施設の整備計画についても取り上げた。施設の老朽化が進んでいる中、下稲吉小学校の給食室の実施設計が進められており、令和6年度から給食の提供が始まる予定であると坂本重男教育部長は明かした。この施策により、全ての市内学校で一貫した給食提供が行えるようになる。計画の前倒しが迫られる中、整備の進捗が求められている。
さらに、旧下大津小学校の跡地利用計画についても質疑が行われた。この跡地は地域活性化のため有効に活用される方針が示されている。市民部長の根本和幸氏は、地域住民との合意形成を重視し、活用方針を検討中であると述べた。
かすみがうら市では、教育環境の整備や地域活性化に向けた取り組みが進められている。市民との連携を深め、未来を担う子どもたちが安心して学べる環境の整備が求められている。