令和4年9月31日、かすみがうら市議会第3回定例会が開催された。この会議において、佐藤文雄議員が一般質問を行い、その中でいくつかの重要な課題が提起され、市長の見解が求められた。
特に、東海第2原発の再稼働についての議論は注目される。佐藤議員は、市長に対して再稼働の立場を明確にするよう要請し、市民の安全を守るための見解を求めた。市長の宮嶋謙氏は、原発の再稼働に反対との強い意志を示し、その理由として、地域の避難計画の不備や運転開始から40年が経過していることを挙げ、安全性の確保が難しいと述べた。特に、茨城県沖での地震リスクを考えれば、重要な問題である。原発再稼働を巡る国の動向についても懸念を示し、国民の理解を得るためには慎重な対応が求められるとの認識を示した。
次に、投票方法に関しての質問があり、佐藤議員は市長選と市議会議員補欠選挙の同時投票方法に対して市民からの混乱を引き起こす恐れについて問題提起した。昨年の投票業務における混乱を回避するため、改善策が求められる。総務部長は、投票手法の見直しや、選挙管理の強化に向けた措置を報告し、次回の選挙に向けた取り組みを約束した。
さらに、中根光男議員からの質問に対し、物価高騰に伴う支援策として、燃料購入券の全世帯への配布が提案された。市長は地方創生臨時交付金を利用した施策の中でも、上下水道料金の免除を行う計画を発表し、市民生活への配慮を表明した。また、この制度により生活困窮者支援にも寄与することを考慮している。
障がい者への支援策では、障がい者のための防災ハンドブックの作成が進められていることが確認された。従来の地域防災計画に基づき、より具体的かつ分かりやすい内容を盛り込むとともに、配布時期も年明けを目指して進行中である。これに関連して、避難所の状況や整備についても具体的な検討が行われており、市長は地域コミュニティや専門家の意見を取り入れたさらなる進展を目指す意向を示した。
自治体のデジタル・トランスフォーメーション(DX)に関しても議論が展開され、デジタル化の進展が市民生活の利便性向上を図ることに重きを置くとの見解が示された。今後もオンラインサービスやサポート体制の強化によってデジタルデバイドの解消を図る考えが示され、特に高齢者や障がい者に対しては配慮が求められる。
以上のように、今回の定例会では重要な課題が多岐にわたり討議され、特に原発や選挙方法、物価高対策などが市民生活に直結する問題として取り上げられた。市長及び執行部は、今後もそうした課題に真摯に取り組んでいく姿勢を見せた。