令和５年第３７２回三田市議会定例会が９月６日に開議されました。議題には、市長の政治姿勢や市民病院の再編統合に関する質疑が上がり、市長の田村克也氏が多くの市民の関心を集める問題に対して意見を述べました。
まず、市民病院の再編統合に関する政策について、田村市長は「白紙撤回」の方針を掲げ、市民に必要な情報の提供と意見聴取を行うことを強調しました。
田村市長は、地域医療を維持することが喫緊の課題であると訴え、急性期医療の確保のためには再編統合が必要とされています。これに対し多くの市民から反対意見も出ており、矛盾した意見が交錯しています。
議会では、福田佳則議員が市長に対し、再編統合推進と市民の信頼の間での葛藤について質問を繰り返しました。福田議員は、田村市長が選挙公約として掲げた市民病院の白紙撤回に対する矛盾点を指摘し、提案された市民会議の開催時期とその内容の公表が急務であると強調しました。
福田議員は、再編統合の必要性を示すデータや意見をボトムアップさせる具体的なステップを求めました。これに対し田村市長は、情報公開や市民の声を聴く機会に全力を尽くすことを誓うと述べ、具体的なプランの提示までには時間がかかることを認識しています。市民の命を最優先とし、急激な状況変化に対しては即座の判断が求められるとし、中長期的な医療体制の見直しも含めた議論が不可欠であるとの考えを示しました。
次に、教育の多忙化が問題視され、多くの議員から意見が寄せられました。学校現場の教員たちが抱える多様な業務負担に対し、スクール・サポート・スタッフの配置の充実が求められています。教育長は、現場の意見を受け止め、学校の運営や授業を支える取り組みが進められていると報告しました。また、市は児童や保護者のニーズを反映させるため、新たな相談体制を強化する方針を示しました。
市民病院問題や教育問題に対する議員の意見は、今後の三田市の公正かつ透明な行政運営における市民との信頼関係構築に寄与することが期待されます。市長は市民の声を重要視するあまり、判断が遅れると市民の不安を増す可能性があり、注意が必要です。今後の議論は、地域の医療体制や教育環境についての具体的な成果を生むことが期待されています。行動が起こることが市民の信用回復につながるでしょう。