令和3年6月21日、三田市議会にて新型コロナウイルス感染症や地域の行政施策に関する質問が活発に行われた。特に新型コロナウイルスワクチン接種については、幸田安司議員が接種状況を質問し、長期化する接種体制の見直しや高齢者への接種促進が求められた。森哲男市長は、令和3年6月16日現在の高齢者接種状況を示し、1回目の接種回数は1万5,377人で、接種率は55.8%であると報告した。2回目の接種は5,368人、接種率は19.5%に過ぎないとし、早期の接種完了を目指す考えを強調した。
また、クリーンセンターやごみ処理施設に関する質問も出た。幸田議員は、老朽化が進むクリーンセンターについて、老朽化対策を講じる必要があるとの考えを示したが、森市長は、既にクレーンの更新計画や新しいごみ処理施設について取り組んでいると答弁した。今後は新施設が地球温暖化防止に寄与することを目指し、最新鋭の技術を導入した環境に優しい設計が進められる見通しである。
さらに、文書とデジタル情報伝達について議論もなされた。今北義明議員が、市民に必要な情報が適時に届けられていないと指摘し、特に災害時においてオープンデータの活用が必要であると訴えた。森市長は、SNSを通じた災害情報伝達の方法を強化することで対応を進める意向を示したが、地域特性に応じた情報提供が果たされるかが問われる。
そうした中でも、三田牛のブランド確立にかける市の支援策も注目を集めた。厚地弘行議員は、県の支援策が主に神戸牛に偏重しているとの声を上げ、三田牛のブランド価値向上には市としての取り組みが求められると述べた。地域住民の理解と協力を得るためにも、魅力の発信を意識した広報活動が急務とされている。
このように、議会では市民の健康や地域の環境維持に関わる様々な問題が提案されたが、これをどう実行に移すかが今後の課題とされる。市は来るべき課題に対して、着実に有効な手立てを講じていくことが期待される。