令和5年12月8日に開催された三田市議会の定例会では、市長の田村克也氏が市民病院の統合の進捗状況について言及した。特に、田村市長は市民からの信頼を取り戻すため、誤解を招いた「白紙撤回」の表現について改めて謝罪し、今後は真摯な姿勢で市政運営を行うと強調した。また、統合プロセスにおける各種の懸念についても丁寧に理解を示しながら、解決に向けた具体的な方策の提示が求められた。
市民病院の統合問題が最も重要な課題として浮上した背景には、神戸市との統合協議がある。田村市長は、神戸市との協議を早急に進めると約束し、県との連携を強調した。特に、新病院が地域に与えるインパクトについて問われると、急性期医療の提供を重視する考えを示し、最善の医療サービスを提供すべく努力していく意向を示した。
さらに、三田駅前地区の再開発にも触れた。ここでは、調整中の若者まちづくりセンターなど、地域活性化に向けた計画が進行中であることが報告された。市長は、公共施設の運営やイベントの企画が市民との協働で行われるべきだとし、市民の意見を尊重する姿勢を改めて示した。また、第三テクノパークについては、選定された地区に埋蔵文化財が存在することから、調査が進むにつれて事業が遅延していることも伝えられた。
さらに、厚地弘行議員からは、少子化対策としての子育て支援に関する重点施策が求められた。田村市長は「こどもを核としたまちづくり」を掲げ、具体的な施策やロードマップの策定が重要であるという認識を示した。市民の意見に耳を傾ける姿勢が強調される一方で、予算の編成や歳入確保の方針も重要な課題として浮上した。
また、福本愛議員は、桜を活用した観光強化策について質問し、三田市の持つ桜の名所が十分に生かされていないことを指摘した。市長は桜の名所をアピールすることで観光収入を得る可能性についても理解を示し、地域資源の活用を促進する意向を表現した。
最後に、気候変動や脱炭素対策についても質問され、市としての取組の強化が必要であるという意見が出された。市長はゼロカーボンシティの実現に向けて力を入れると約束し、市民の関心を高めるための方策を検討する決意を表明した。
今後の議会での市長と設計部局との連携を更に深め、具体的な施策に関する情報を市民に発信していくことが求められる。特に市民病院統合問題は、地域医療の将来を担う重要なテーマであり、丁寧に市民を交えた議論を進めることが不可欠とされている。