令和2年3月の三田市議会定例会が開かれ、一般質問において新型コロナウイルス感染症の拡大防止策や、地域医療、子育て支援策について議論が交わされた。
まず、松岡信生議員(公明党)は、近年の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う市の取り組みについて質問し、政府の基本方針の変化や、特に高齢者施設における感染対策の重要性を指摘した。市長の森哲男氏は、新型コロナウイルス対策本部会議を設置し、マスクや消毒用アルコールの支給を進めることを強調した。特に高齢者に対する支援策として、マスク約3万5,000枚を介護施設や医療機関に配布する計画が発表された。
続いて、議員は新型コロナウイルス対策が地域の医療にどのように影響するかについて言及し、市民病院の将来とその機能強化についても言及した。森市長は、今後の医療体制の構築には、広域医療連携が不可欠であるとの認識を示した。特に、地域医療構想と実態の乖離についてもう一度見直すことが必要であることを強調し、患者数が増加するなかで、医療機関の役割がますます重要になると述べた。
さらに、次の議題として第5次三田市総合計画についても議論され、地域住民の声をどのように計画に反映させていくかが焦点となった。市長は、「まち全体で共に創る」ことの重要性を述べ、特に若者や市民の意見を重視する意向を示した。市としては、アンケートやワークショップを通じて、広く市民の意見を集める姿勢を強調した。
また、地域の交通問題についても活発な議論があり、市長は「地域と行政がともに交通網を育てていく必要がある」と語った。各地域への出向き、地域の人たちとの協議を大切にし、持続可能な交通システムの構築に向けた取り組みが必要であると見解を示した。
最後に、幼児教育・保育の無償化に関する調査結果が報告され、市が今後の施策について検討を進めることが求められた。議員からは、保育の質を向上させるための提案もあり、今後の政策に期待が寄せられた。