令和4年3月9日に開催された三田市議会の定例会では、諸般の報告に続いて一般質問が行われた。
SDGs(持続可能な開発目標)の推進については、福田秀章議員が質問を行い、三田市における具体的な取組や今後の進め方について言及した。福田議員は、特に今後10年に向けたまちづくりでのSDGsの重要性を強調し、森哲男市長は、令和4年度が第5次三田市総合計画のスタートの年であることを述べ、子どもたちに夢を育むため、全世代が住み続けたいと思える町作りへ向けた目標を掲げていることを説明した。市長はまた、「SDGsの理念を生かし一体的に推進していく」と言及した。
次に、不登校の実態とその対応についての質問も挙がった。鹿嶽昌功教育長は、三田市の不登校児童・生徒が前年より増加傾向にあり、現在141人に達しているとの報告を行った。具体的な原因としては、「無気力・不安」などが挙げられ、支援策としてはスクールカウンセラーやソーシャルワーカーによる個別支援の強化が進められているという。効果的な支援体制の強化を目指し、さらなる取組の実施が期待されている。
また、三田市民病院改革についても多くの議論がなされた。福田議員は、急性期医療の再編統合が求められている状況を踏まえ、現市民病院の老朽化や医師不足を指摘し、新たな病院整備の必要性を訴えた。市長は、地域の急性期医療の確保に向けた検討委員会が既に設置されており、報告書が間もなく提出される予定であることを強調した。また、病院の跡地利用についても市民の意見を踏まえつつ、早期の課題解決を目指す姿勢が示された。
さらに、農業政策についても質問があり、新たに策定中の第5次三田市農業基本計画における企業の農業参入や、地元産有機野菜の活用についての意見が収集された。市は応援体制の強化や販路の確保など積極的な支援を行う方針を示した。
最後に、県道の歩道設置に関する要望では、地域住民の安全確保の観点から市が県に要望をする考えが述べられた。全体として、議会は市政に関する重要な課題について活発な意見が交わされる場となり、地域の発展に向けた前向きな取組が期待されている。