令和4年9月8日、三田市議会定例会が開催され、市民病院の統廃合についての一般質問が行われた。
木村雅人議員は、統廃合による市民病院の市外移転に強い懸念を示した。新型コロナウイルス感染症により、多くの市民が医療を求めている中で、病院やベッド数の減少が地域医療の脆弱化につながると指摘した。「救急搬送の時間が致命的な影響を与える可能性がある」と強調し、医療政策の抜本的見直しを求めた。
市長の森哲男氏は、「救急医療を中心に地域医療を堅持するための広域的な視野での医療資源の集約化が必要」とし、市民病院の役割を再確認した。ただし、神戸市北区に新病院を建設する方針については、「国や県からの支援を最大限に求める」と述べた。
また、市民の合意なしに進める統廃合についても疑問が指摘された。木村議員は、「市民意見が十分に反映されないまま進むことは許されない」と述べ、透明性のある議論を求めた。それに対し市長は、市民意見交換会を通じて理解を得る努力を続けているとした。
さらに、救急医療のアクセスについても議論が行われた。「市民病院が市外に移転することで、通院や搬送にかかる負担が大きくなる」とする意見に、市長は「交通アクセスの見直しを行う」と答え、具体的な改善策を積極的に検討する意向を示した。
この会議では、木村議員の質問によって医療体制や市民の健康、安全に関する重要な議題が浮き彫りになり、今後の議論の展開が注目される。市民病院の今後の方針と、医療サービスの質を維持するための市の姿勢が問われる中、透明性ある説明責任が市に求められている。