令和2年12月18日、三田市議会第359回定例会が開催された。本定例会では、市民病院の財政状況に関連する重要な議案が審議され、特に議案第85号が注目された。
この議案では、三田市民病院の調理業務を直営から委託方式に変更することを提案している。
市民病院は、従来の直営方式では職員の定着が難しく、労働環境の改善が求められている。委託への見直しにより職員の確保や業務の効率化を図る狙いがあるとされる。
委員会では、賛否が分かれた。反対派の水元サユミ議員は、「委託方式への変更には多くのリスクが伴う」と強調した。彼女は、他の自治体における委託の失敗事例を挙げ、包括的な論議が不足していると訴えた。
一方、賛成派の今北義明議員は、現状の調理業務の直営では職員確保が困難である点を指摘。さらには、専門家による衛生面の管理強化が期待できると述べ、原案を支持する意見を表明した。
結果として、議案第85号は賛成多数で可決された。さらに、議案第99号から議案第102号までの、総額1億6,059万円の一般会計補正予算も全会一致で通過した。また、同議会では、「核兵器禁止条約への日本政府の署名と批准を求める」請願については継続審査が決定され、「20人学級の前進を求める」請願は不採択とされた。
閉会の際に市長の森哲男氏は、今後の財政運営や新型コロナウイルス対策に対する指針を示し、地域社会の安全と市民生活の安定を重視すると表明した。議会の活発な議論を受けて、来年の予算編成への関心も高まっている。