令和3年第362回三田市議会定例会が行われ、新型コロナウイルス感染症対策や財政健全化が議題に上がった。さらなる支援策の充実が求められている中、議事は進行した。
会議では、森哲男市長が令和2年度の一般会計と特別会計の決算について説明した。市長は、感染症の影響で減収が見込まれる一方、施策展開に尽力したと述べた。特に、子育て支援や地域産業の活性化に向けた取り組みが強調され、多様な施策戦略の重要性が示された。
具体的には、待機児童の解消や特別支援教育の環境整備が実施されたほか、地域経済の維持に向けた支援策も組まれた。市長は、健全財政を維持しつつも新たな投資が必要になると指摘した。これに対し議員からは、今後の歳入見込みに対する懸念も上がった。
さらに、請願第5号に関して沖縄戦戦没者の遺骨問題が議題に取り上げられた。この請願は、遺骨混入の土砂を埋立に使用しないように国に意見書を提出することを求めるものだった。多くの議員が人道的視点からの問題提起を行い、慎重な審議が求められたが、最終的には不採択となった。
森市長は、経営改善を進めることを約束し、地域医療の安定化を図る考えを示した。このように、行政と議会の協力によって地域の課題解決が進められていることが再確認された。
また、議案第69号、つまり農業委員会委員の任命については原案通り採決され、農業支援の継続が確認された。議会運営全般にわたり、一部議案の継続審査も併せて進むなど、慎重な議論がなされた。
三田市は、今後の財政状況を踏まえた調整や新たな施策展開が必要とされている。市長は、過去3年連続で基金残高を増加させるなど、持続可能な行政運営の実現に向けて努める意向を示した。議会では、市民生活を守るための施策の提案が今後求められることになる。