令和5年9月8日に開催された三田市議会定例会では、地域医療の充実と農業振興に関する重要な議題が討論された。
一般質問では、北本節代議員が市民病院の救急医療の現状を鋭く指摘した。特に、救急受け入れの約2割が断られている状況について、田村克也市長が「ここまで逼迫しているとは認識していなかった」と答えた。議員は市民病院の現状を把握するよう市長に強く求め、市の医療体制の危機を訴えた。
また、議員は医師59名の要望をどのように受け止めているのかを質問。医師確保策として市が実施している医師修学資金貸与制度についても言及した。市長は、医師の働き方改革の影響で依然として厳しい状況にあることを踏まえ、速やかに実行可能な支援策の見直しが求められると強調した。さらに、市内で産科や24時間救急を維持する方策の重要性にも触れ、安定した医療提供に向けた取り組みが必要とされている。
加えて、北本議員は農業に関しても言及し、担い手不足の問題と農業者が活用しやすい補助事業について質問した。市長は、「担い手不足対策として地域計画の策定などを進める」との意向を示し、さらなる支援策の必要性について理解を示した。また、有害鳥獣対策についても重要性が語られた。例えば、近年増加している野生動物による農作物被害に対処するため、地元農業者の意見を踏まえた施策の充実が求められるとした。
議論は市民参画の重要性や透明性を確保することに付加され、市民と共に政策を推進する重要性についても意見が交わされた。市長は、「市民の声をしっかり聞くことが、公約に沿った市政運営につながる」と述べ、今後の地道な対話と情報発信の重要性を再確認した。
これらの議論を踏まえ、次回の会議において具体的な方針と施策が期待される。市民の安全な生活を守るために、地域医療の充実や農業振興が今後も繰り返し強調されることが重要である。