令和5年6月20日、芦屋市議会で開催された定例会において、市長の高島崚輔氏と議員の議論が白熱した。この中で特に注目されたのは、子どもの医療費助成制度の拡充についてである。
現在、芦屋市では中学校卒業までの子ども医療費が助成されているが、所得制限が設けられており、多くの家庭が恩恵を受けられない現状にある。これについて、議員からは「所得制限を撤廃し、18歳までの無償化が求められる」との意見が出された。これは特に、子どもたちの健康を守り、経済的負担を軽減する観点から重要視されている。
「私は医療費助成の拡充は必要だと考えています」と発言したのは、浅海洋一郎議員である。市内での高額納税者が多く、医療助成を受けられない家庭があることを指摘し、他市の動きに触れながら「隣の西宮市が助成対象を拡大した。芦屋市でも同様に取り組むべきだ」と強調した。
懸念されているのは、医療費助成の拡大に伴う受診回数の増加で、浅海議員は「満足のいく医療が受けられなくなるのではないか」との不安を口にした。しかし、市長は「制度拡充のため、慎重に検討を行っている」と回答。「来年度から拡充を進められるよう取り組んでいる」と具体的な意向を示した。
一方で、地域コミュニティづくりについても議論がなされた。コロナ禍における社会的孤立の防止や、住民同士のつながりを強めることが強調された。「誰一人取り残さない社会を実現するため、市民が主体的に町づくりを進めなければならない」との意見が出た。提案されたのは、地域支援や情報共有のためのICTを活用した取り組みであった。
この議論の中で得られた合意は、医療費助成の拡充が子育て世代にとっても、地域全体にとっても重要であるとの共通認識であり、今後の進展に期待が寄せられている。今後の進捗に注目したい。