令和6年6月19日、芦屋市議会第3回定例会が開催された。長期にわたる議題の中で、特に注目されたのは市立中学校の制服費用削減や、庁内でのキャッシュレス化についての質疑であった。これらは、経済的な負担を軽減し、利便性を向上させることを目的とした重要な施策である。
市立中学校の制服費用削減に関しては、橋本隆議員が述べた。「入学シーズンに制服を購入する家庭に配慮し、他の自治体の成功事例を参考にしたい。」と語った。制服費用が約3万8,000円とされる中、全国の平均価格が約4万5,000円であることから、まずはこの比較結果を基に改善策を模索する必要がある。
また、庁内キャッシュレス対応について、橋本議員は、昨年のQR決済導入が多くの市民に喜ばれていることを挙げ、利用額の上昇傾向にあると伝えた。市長の高島崚輔君も「現在のペースであれば、数年以内にキャッシュレス決済が主流になる」と述べ、さらなる推進に意欲を見せている。この流れの中で、市民への周知徹底が重要であることが再確認された。
続いて、阪神電鉄の高架化が議題に上がった。橋本議員は、「芦屋市における高架化は市民生活に大きな影響を与える」と強調し、特に交通渋滞解消や騒音軽減に期待を寄せている。市長は、市の財政負担が少ないことを説明し、今後の進捗についても追及していく姿勢を示した。
さらに、ラーケーション運用については、若い世代に学びを提供する取り組みであるが、市長は「他市の事例を参考にしながら当市の特徴に合った運用を検討する」考えを明らかにした。このように、教育や先進的な取り組みが数多く議論され、芦屋市の未来に向けた重要な視点が示された。
教育長の野村大祐君に対する質問も行われ、不登校の児童生徒数や、いじめ問題の取り組みについて問われた。いじめの認知件数は1,633件に上り、その課題は引き続き重要視されている。教育委員会の対応として、改めて現場の声を大切にし、子どもたちの意見を反映する機会を設ける提案も行われた。
芦屋市議会では、様々な議題を通じて、地域の課題解決に向けた議論が交わされた。特に、若者や高齢者への配慮が必要であることが共通認識として得られ、今後の施策においても考慮されるべきであると感じられる。市民一丸となって、芦屋市の未来を切り拓いていく姿勢が見える会議となった。