令和元年12月11日に開催された第15回尼崎市議会定例会では、雨水貯留管の整備や高齢者支援についての議論が展開された。特に、ロストジェネレーション世代の雇用支援策にも多くの関心が寄せられた。この年代層は、バブル崩壊後の厳しい就職状況に苦しんできたため、政府はこの世代に焦点を当てた支援策を打ち出している。
議会では、前迫直美議員が市長の政治姿勢や公約に関して質問を行い、市長は「ファミリー世帯が住みやすい社会を目指す」と述べる一方で、具体的な数値目標や取り組みの強化が求められると強調した。また、教育長は「学力向上の取り組みを進める」とで、さらなる高みを目指すとの意気込みを示した。
雨水貯留管の整備は、6年確率から10年確率への引き上げに伴うもので、特に市内の浸水リスクが高い地域に特化して行う必要性が議論された。市は、貯留管の容量や整備スケジュールについて住民の理解を得ることが重要であるとの認識を示し、さらなる対話を重ねる姿勢を見せた。
一方で、認知症サポーター養成講座の受講者数が増加する中、子供たちを対象とした講座も開催するべきとの意見が上がった。市民に認知症についての理解を深めてもらうため、養成講座を通じて若年層にも広める必要性が訴えられている。また、地域包括支援センターによるSOSネットワーク事業の機能強化も課題となっている。
これに対し、稲村市長は「役職員が率先して課題解決に向けた取り組みを進めている」と述べ、「私たちも全力でサポートする方針」と答えた。 市は、雨水貯留管の整備についても引き続き、効果的な事業展開を模索していくことを約束し、市民とのコミュニケーションを重視していることを強調した。今後の補正予算や施策の見直しも進めていく必要があるとされ、官民一体の協力が不可欠である点が指摘された。市民にとって実際の生活に密着した施策展開が望まれる中、より一層の対応策の充実が求められている。