令和2年9月28日、尼崎市議会第21回定例会が開かれ、議案第92号が審議された。
今回の議案には、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行を念頭に置いた重要な内容が盛り込まれている。市長の稲村和美氏は、令和2年度の一般会計補正予算について説明し、高齢者へのインフルエンザ予防接種費用を無償化する方針を示した。
この補正予算の目的は、重症化リスクの高い65歳以上の高齢者に対し、接種を促すことだ。新型コロナウイルス蔓延時、医療体制の逼迫を防ぐためには、高齢者の健康管理が特に重要とされる。これに伴う歳入歳出の増額は、合計で約1億3,242万円に上る。
質疑では、蛭子秀一議員が無償化の判断理由について市長に質問した。市長は、「市内での感染拡大と、特にお独り暮らしの高齢者が多い現状を鑑み、速やかに無償化を決定した。」と強調した。
例年は、阪神間で統一された接種料金が1,500円であることから、他自治体との足並みがそろわない中での判断に関しても言及された。市長は、「隣接する伊丹市が無償化を施行したため、迅速な対応が求められた。」と述べた。
議会では、無償化の情報を市民に周知する必要性も指摘された。市長は、「市報やホームページ、ポスター掲示など幅広い手段で周知に努める。」と応じ、今後の対応を約束した。
動議により、議案第92号は委員会への付託を省略し、採決が行われた。結果、議案は原案通り可決された。議会は、29日から10月7日までの休会を決定し、本日の会議は終了した。