令和3年12月22日に尼崎市議会の定例会が開催された。この日、議会は新たに提案された議案に対する審議を行い、特に保育所の管理に関する条例改正や指定管理者の指定について注目が集まった。
まず、議案第87号に関連して、尼崎市立保育所の設置及び管理に関する条例の一部改正が提案された。市立七松保育所及び元浜保育所の民間移管が含まれており、議会内では公的保育制度が守られるべきとの意見があった。「公立保育所の民間移管は公的保育制度を守る役割を後退させる」と述べたのは、日本共産党の山本直弘議員であり、民間移管に反対する姿勢を示した。
次に、議案第91号については、市立すこやかプラザの指定管理者が新たに選定されることとなった。健康福祉委員会の東浦小夜子議員からの報告によると、説明会を経て応募した団体は1つのみであった。この背景には、コロナ禍での採用条件の厳しさが影響しているという。当局は、保育士の確保が困難であるとの見解を示しており、このため契約条件の見直しが必要との指摘もなされた。
さらに、議案第97号では、阪神タイガースのファーム施設誘致に関する負担付き寄付の受納が審議された。この案には、長期間にわたる経済効果が期待される一方で、これまで使用されていた小田南公園が阪神球団の専用施設となることで、市民の憩いの場が狭まる懸念も指摘された。議員からは、「維持管理費用を市が負担するのは合理的ではない」という意見もあり、市民生活への配慮が求められた。
最終的には、議案は起立採決で大多数で可決された。特に、保育所の条例改正に関しては賛否が分かれ、静かな議論が続いたものの、全体的には議案に対して一定の合意が見られた。その他にも複数の補正予算案や委員選任の議案が採決され、年度末に向けた行政運営が進むこととなる。議長は議会閉会の挨拶で、市民、事業者、行政が協力し合う重要性について強調した。