令和5年9月7日、尼崎市における第16回定例市議会が開催された。
議会では、様々なテーマが討論され、特に「障害福祉サービスの不正請求疑惑の調査について」が議論の中心となった。迫田敬一議員は、障害福祉サービスに関連する不正請求の疑惑が1年半以上も棚上げされている点を指摘し、調査の必要性を訴えた。「私は不正に関与したヘルパーからの証言があるにもかかわらず、何の進展も見られないことに懸念を抱いています」と述べた。
調査の結果を待つ市側の姿勢に対し、福祉局長の市川忍氏は、「監査は複数回実施しており、現在も調査を進めている」としつつも、具体的な結果が出る時期については明示しなかった。このやりとりは、調査の進捗と不正行為に対する市の責任感が問われる形となった。
次に「子供への支援のデジタル化推進について」も議論され、特に令和8年度開設予定の児童相談所において、デジタル政策監の杉原薫子氏が新たな情報システムの導入を強調した。「デジタル化は情報共有を促進し、子供たちへの支援をより効果的に行うことにつながります」と話した。
また、迫田議員からは不登校支援の現状も取り上げられ、現在尼崎市の不登校児童・生徒数が1,352人に達していることから、支援策の拡充が急務であると訴えた。この問題に関しても局長の安田博之氏が説明し、「今後も柔軟に対応し、早急に支援を進める必要があります」と回答した。
新型コロナウイルス感染症による差別問題も特に重要視された。感染症の影響が引き起こす差別的な態度について、安川春樹保健局長は「本市では差別を許さないというメッセージを発信しており、今後も対応を強化するべく努めます」と発言した。
また、電気自動車（EV）の普及施策について、日本の環境目標に遂行するための具体的な施策が打ち出されつつある。新たに設置を進める急速充電器の数が必要とされている中、経済環境局の吉田淳史氏は、「引き続き充電インフラの整備を進めてまいります」と表明した。
こうした議論を通じて、地域の不安解消や支援の必要性が再確認され、今後の尼崎市の政策に注目が集まっている。社会福祉や子供の支援、環境対策など、市民に寄り添った具体的な施策が求められる中、議会の役割はますます重要になっていると感じさせてくれる会議だった。