令和5年3月8日、尼崎市議会において、来年度の一般会計予算案が主要議題として討論された。
議会における議論では、物価高騰が生活に与える影響について、特に市民の暮らしが厳しくなる中での対策が主に取り上げられた。川崎敏美議員(日本共産党)は、「電気代や食料品が高騰しており、市民生活は困難な状況にある」と訴え、市長に対して具体的な支援策、特に水道料金の基本料減免を実施するよう要求した。
市長の松本眞氏は、「物価高騰に対しては全力で対応するが、財源の限りがある中で、全市民に恩恵を与える策を模索している」と答弁した。さらには「あま咲コインの給付を行ってきたが、今後も予算の組み方を工夫して、効果的な施策を進めていく」と述べた。
また、重層的支援の推進についても質疑が行われ、松本市長は市民の多様な支援ニーズに応じた具体的な施策を展開し、市が目指すのは、より包括的な支援体制の整備であると強調した。特に昨年12月の時点で71件の実相談を受けた実績を踏まえ、地域住民や支援関係者との連携を進める重要性が語られた。
次に、教育分野ではデジタル化の進展に対し、川崎議員が「すべての教員がデジタルツールを駆使することができる環境を整えるべき」と述べた。これに対し市長は「サポート体制を強化し、教員がスムーズにテクノロジーを活用できるよう、必要な研修を進める」との考えを示した。
市民と対話の円滑化についても触れられ、松本市長は「市民の声をダイレクトに反映させるため、対話の場を設けることが市政運営において重要である」と述べ、具体的な集会の開催を視野に入れていることを明かした。さらに、住宅政策に関して、「住宅確保要配慮者への支援を強化していく」との意向を示し、年度内には具体的な策を提案すると述べた。
これらの討議を通じて、尼崎市の未来に向けた具体的な施策が進められることが期待されるが、実行力や財源確保の課題についても今後の議論が必要であるといえる。