令和3年2月の定例会では、尼崎市におけるさまざまな議案が提案され、その結果、重要な議案が可決された。
注目すべき議案の一つである「尼崎市食品衛生に関する条例の一部改正」については、健康福祉委員会を代表し、北村保子議員がその内容を説明した。新たに施行されるHACCP(ハサップ)制度に基づく衛生管理方法の導入が、食品等事業者に求められ、準備を進める事業者が約1割であると報告された。残りの約9割には今後の対策が求められることが強調された。具体的な周知活動や講習会が行われる予定であり、市内の約5,000事業者へのリーフレット配布も行われている。
また、「尼崎市SDGs地域活性化基金条例」についても、審査が行われた。この基金は地域の活性化を目的としており、企業版ふるさと納税を主な原資とする。本市の取組の目的を地域経済の活性化に絞ったもので、それによる寄附促進が期待される。委員からは、広範囲にわたる企業への周知や、目標額の設定に関する質疑があり、当局は、訪問を通じたPR活動や、目標額については未設定であるものの、最大限の寄附を目指す方針を説明した。
対する意見もあり、川崎敏美議員は、企業版ふるさと納税に基づく制度が持つ課題について、十分な説明を行った。自治体間の税源移動が可能となる点を指摘し、住民自治の側面を損なう恐れがあるとの懸念が示された。議会ではこの議案は起立採決の結果、可決された。
さらに、一般会計補正予算に関する議案も可決された。こちらは、地域へのインフラ整備や福祉事業の重要性が強調され、各議員から疑問や意見が上がる中、柔軟な対応を求める声も多く寄せられた。特に新型コロナウイルスの影響下での予算執行において、柔軟性が必要であるとの共通認識が伝えられた。
今後も尼崎市では、地域の活性化に向けての取組や市民の福祉改善に向けた施策が重要視されることだろう。