令和4年11月28日、尼崎市議会の臨時会が開催された。
議題には市議会議員の報酬や市職員の給与に関する条例の改正案が含まれており、特に注目を集めている。議案第103号では、議員の期末手当が年間0.05月分引き上げられることが提案され、これは国会議員の改定に合わせたものだ。議会での審議では、過去の経過についても質疑が行われ、市当局は平成19年の審議会の答申を根拠に変更を進めたと説明した。
これに対して、反対意見が根強く存在する。議員からは、地域の景気や市民の生活状況を考慮すべきとの発言が相次いだ。特に、生活の厳しさを訴える声があり、「議員報酬は一般市民の平均給与に比べて高い」との指摘も見られた。これに対し、議員報酬に関して議会内での決定が重要であるとの意見もあり、意見は分かれていた。
議案第104号及び第105号も同様に、給与の引上げが提案されており、こちらも「市民感覚を反映させるべき」という観点からの反対意見があったが、いずれも可決される結果に至った。
また、市長の退職に関する同意が議題に上がり、稲村市長は12月1日をもって退任する意思を表明。この退任は、次の定例会に向けて日程を調整するための前倒しだ。市長は退任挨拶の中で、在任中の支援への感謝を述べ、特に市議会との健全な緊張感を持った議論の重要性を強調した。市長としての12年間の活動を振り返り、財政再建や地域の課題解決への取り組みを評価し、努めてきたことへの誇りも表現した。
この臨時会の結果、議員報酬や職員給与の見直しが進む一方、市長の退任が新たな市政のスタートに向けた一歩となることに議会は期待を寄せている。