恵庭市議会の令和6年第3回定例会は9月20日に開催され、様々な行政課題について議論が交わされた。特に、孤独・孤立対策に関連して、市の現在の支援状況との課題についての質問が多く寄せられた。市の現状には、生活困窮者自立支援制度などが活用されているが、依然として効果的に支援が行き届かないケースが存在し、今後の対策の必要性が強調されている。
孤独・孤立対策について、原田市長は「今後、単身世帯および高齢世帯が増加する見込みで、一般的つながりの弱まりが懸念されている」と述べ、孤立を防止するための包括的な相談支援体制の強化が求められた。既存の支援機関との連携を深めていくことで、より多くの市民に寄り添った支援を心掛ける姿勢が示された。
また、高齢者の介護福祉に関しては、第9期恵庭市高齢者保健福祉計画に基づく必要な介護施設の整備が進められており、新たに地域密着型特別養護老人ホームの整備が計画されているが、2022年の高齢化の進展に備えて、待機者数の推移にも注視が必要とされている。現状では268名の待機者がいることが報告されたが、その多くは医療機関に入所中で、在宅待機者は少数であることも明らかになった。
認知症対策では、普及啓発事業として行われている認知症サポーター養成講座について、その開催実績や受講者数が説明され、地域での理解促進が図られていることが強調された。今後は、より多くの市民に対する周知が求められる。
さらに、奨学金支給制度についても議論が行われ、申請基準を見直すべきとの意見も出た。篤志家の寄付に依存する現行の制度設計は見直しが必要とされており、特に学業成績の基準を揺らぎなく設定する必要性が指摘された。原田市長は、今後国の動向と合わせて見直しを進めていく姿勢を明らかにしている。