令和6年第2回定例会が6月17日に千歳市議会で開催された。その中で議論された主な内容は、健診の充実と高齢者支援策であった。
平川美由紀市議は、健診に関する質問を行った。特にHPV検査単独法の導入に焦点を当てた。彼女は、子宮頸がんの発症と死亡者数が依然として高いことを指摘し、検診の拡充が求められると主張した。これには、全国的に低いワクチン接種率や検診率が影響していると考えられており、彼女はオーストラリアの取り組みを引き合いに出し、力強く予防施策を進める必要があると訴えた。
市長は、国の指針に基づき、HPV検査を導入する際の体制整備が必要であるとの認識を示した。特に、産婦人科医との連携や、検診受診履歴のデータベースの構築が重要であるとし、慎重に検討を進める意向を表明した。
次に、平川市議は歯科健診の重要性についても触れた。現在、千歳市では40歳以上を対象とした歯周疾患検診を実施しているが、受診率が5%にとどまる現況を嘆いた。彼女は、働く世代も含む幅広い年齢層に対する施策の拡充を提案した。市長は、国の推奨に従い、さらに20歳からの受診年齢の拡大を進めていくと答えた。
高齢者支援に関する質疑も多く、平川市議は難聴高齢者への聴覚補助機器の助成について質問した。特に、耳が聞こえづらい高齢者に対して、効率的な補聴器の助成を導入する必要性を訴えた。市は、現在所有している耳の聞こえに関する機器の状況を把握し、具体的な支援方策を検討する意向を示した。
また、災害用トイレや宿泊施設に関連した議論も活発に行われた。市は、災害時の備えとして携帯トイレや簡易トイレの備蓄計画を見直すとともに、民間業者との協力体制の構築を急ぐ必要があると述べた。特に過去の教訓を踏まえ、初期対応の重要性が再認識された。
各議員の質問に対する市の答弁から、千歳市は健診や高齢者支援、災害対策に関して積極的に取り組んでいることが見て取れた。今後の施策実現に期待が寄せられる。