令和2年第3回千歳市議会定例会では、障がい者支援、がん対策および交通安全対策など多岐にわたる重要な課題が討議された。
その中で特に目を引いたのは、障がい者支援に関連する議題である。公明党の平川美由紀議員は、遠隔手話サービスの導入を求め、聴覚障がい者への意思疎通支援が必要であると述べた。新型コロナウイルスの影響で対面の手話通訳では困難な状況が続いていることから、タブレットやスマートフォンを通じた遠隔手話通訳の早期導入が重要であると強調した。これに対し、山口市長は国の補助制度を活用して検討を進める意向を示した。
また、平川議員は障害者手帳の交付申請にかかる金銭的負担についても質問した。障害者手帳が必要な方々が負担する診断書の作成費用が高額であるため、助成制度の導入が求められる。この点について山口市長は、過去に制度があったことを説明しつつも、再度導入することは難しいとする見解を述べた。
がん対策では、特に受診率向上のための施策が重要視された。平川議員は、がん検診の受診率向上のため、特定健診とがん検診の同時受診が推奨されていると指摘した。市長は、特に子宮がんや乳がんの無料受診クーポン券の配布などの施策を進めていると報告したが、受診率の低迷については依然として課題であることを認めた。
交通安全に関する議題では、公用車へのドライブレコーダーの設置が提案された。近年、交通事故が増加しており、設置により安全運転意識の向上と防犯効果が期待される。市長は、計画的に設置を進める意向を示しつつ、現在の設置状況についても報告した。
さらに、防災対策においては、市民を対象とした防災手帳の導入提案があり、子供たちが主体的に防災を学ぶことの重要性が強調された。市長は、現在実施されている防災学習や啓発活動についても言及し、地域全体で防災意識を高める施策を継続する考えを示した。
議会では、これらの議題が市民生活に密接に関連することから、市民の意見を反映した施策が求められることが確認された。市長は、全力で市民の安全と健康を守るために取り組む考えを表明した。