令和5年第1回臨時会が2023年4月20日、千歳市議会で開催され、多くの重要な議題が話し合われた。
市長の山口市長は、会議の冒頭で、食料品等の物価高騰が低所得者の子育て世帯に与える影響について支援策が提案されることを強調した。特に、国からの補助金を活用し、児童扶養手当を受ける独り親家庭や住民税非課税世帯を対象に、1人当たり5万円の特別給付金を支給することが決定された。
また、新たにラピダス株式会社が千歳市に工場を設立する計画も話題に上った。このプロジェクトは、今後の経済発展に寄与する巨大な可能性を秘めている。ただし、工場の運営に伴う環境への影響についての懸念が、議員から多くの質問を引き起こした。相沢議員は、工場からの排出基準や水源確保について詳細に質疑した。市の担当者は、フッ化物が環境に与える影響を考慮し、法令に基づく排水基準を守る必要があることを説明した。
今回の臨時会で提案された一般会計の補正予算は、2億3,318万3,000円を追加し、総額473億1,595万円となる見込みである。水道事業会計と下水道事業会計の補正予算案も提出され、特にラピダス社の立地により新たな水道管や下水道施設の整備が急務とされている。水道局の渡邉水道局長は、必要な上下水道の整備を行うことの重要性を訴え、適切な予算を確保することで円滑な工事を目指す意向を述べた。
北山議員は、ラピダス社に対する市の経済的負担が適当かどうか疑問を呈し、市が全ての工事費用を負担するのではなく、企業側にも適切な負担を求めるべきとの考えを示した。市側は、開発が未完成の土地であるため、必要なインフラ整備は市が担うと説明したが、議会内にはさらなる議論の余地があるとの見解も見られた。
議会は最終的に、議案第1号から第3号を原案の通り可決し、補正予算を成立させた。市長の山口氏は、これから課題が山積するものの、事業の成功を願っていると述べ、議会の支持を求めた。これにより、ラピダス社のプロジェクトが開始されることになり、千歳市の経済の発展が期待される。