令和元年第3回千歳市議会が開催された。今回は主に終末期医療と防災政策に関する議論が行われ、地域社会の在宅医療と防災対策の重要性が再認識された。
落野章一議員は、終末期医療の中で在宅みとりについて質疑を行った。現在、自宅で亡くなる方の割合はわずか11%にとどまり、医療体制の変化が影響していると指摘した。
さらに、厚生労働省が発表する全国市区町村在宅死亡率を踏まえて、千歳市の実態を確認したいと述べた。その中で、同議員は在宅みとり人数の集計方法について、他市の事例を引き合いに出して基準を示す必要があると提言した。
山口市長は、現在の在宅療養支援診療所の数を明らかにし、その重要性を強調した。市内には二カ所の診療所があり、在宅死者数の約30%を占めると推計された。
次に防災行政に関する議論が続いた。落野議員は重度障がい者への災害情報伝達の強化を要望し、戸別受信機の貸与対象をさらに考慮してほしいと述べた。市長は重度障がい者世帯への設置状況を報告し、希望する全ての世帯に対して設置を進める方針を示した。
また、災害時の情報伝達手段として地域FM局の活用可能性にも言及され、協議を進めていると市長は説明した。
選挙管理事務に関しては、新たに導入されたコミュニケーションボードの効果が論じられ、障がい者の投票環境の向上に寄与する施策として期待が寄せられた。導入されたボードの利用実績や普及の課題についても、参与者の意見が交わされた。
子育て支援の質問では、児童虐待に関する通告件数が前年より増加していることが報告され、支援体制の強化が求められた。市長は、虐待防止の観点から施策を推進する方針を明言した。
今回の議会を通じて、在宅医療を含めた医療の質向上と、地域での防災体制の充実が強いメッセージとして発信された。