令和4年第4回千歳市議会定例会が、12月12日に開催された。議題には、公共事業や高齢者支援、がん対策など多岐にわたる内容が取り上げられた。
多くの議員が焦点を絞って質問を行った中で、特に高齢者支援の重要性が議論となった。公明党の平川美由紀議員が、加齢による聴力の低下に悩む高齢者のために補聴器購入費の助成について要望した。平川議員は、補聴器が高価であり、助成がなければ多くの高齢者が使うことをためらう状況を指摘した。実際の事例として、高齢者が高価格の補聴器を試しながらも、手に入れられなかったエピソードも紹介された。平川議員は、軽度や中程度の難聴に対して国の支援が不足していると強調し、補聴器の購入を促進するための負担軽減策を求める姿勢が見受けられた。
これに対して千歳市長の山口市長は、現在の補聴器購入費の助成制度について説明し、聴力低下の重度な方に対しては補装具費支給制度を設けていることを明らかにした。しかし、補聴器は医療保険の適用外であり、高齢者が購入に際して全額自己負担となるため、財政的負担の軽減は国の動向に依存しているとし、地域包括支援センターでは医療機関への相談を促すなど、支援体制の構築を目指すと述べた。
さらに、道路事業に関する質疑も活発に行われ、特に無電柱化推進計画が注目された。平川議員は、現在の電柱が災害時に大きな障害となることを指摘し、無電柱化が重要な防災対策であるとの認識を示した。山口市長は、無電柱化の必要性を賛同し、実績についても具体的な事例をあげる姿勢を示し、今後も徐々に進めることの方針を示した。
また、水道事業については、水道スマートメーターの導入状況が言及された。高橋拓也財務部長は、導入による業務効率化や水利用量の可視化が期待されており、近い将来において導入拡大を図る意向を表明した。また、こうした取り組みを通じ、地域での見守り機能を強化する可能性についても高まっているとし、さらなる市民サービスの向上が期待される。
最後に、がん教育についても触れられ、平川議員はがん教育の重要性を訴えた。特に、早期発見のための教育が必要であり、子供たちに正しい知識と意識を持たせることが今後の課題であるとした。今後、市としてもがん教育を推進する計画が求められる。
この様な多様な議題が扱われる中、市議会は引き続き市民の声を反映させ、各事業の効率化や支援策の充実に取り組む姿勢を示した。