令和5年3月3日、旭川市議会の第1回定例会が開かれ、市長の政治姿勢や予算案など多岐にわたる議題が取り上げられた。
中でも特に注目を集めたのは、今津寛介市長が防衛予算の増加に伴う市民への影響を考慮すべきと指摘した点だ。市長は「ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、防衛力の強化は必要だが、そのために国民に重い負担を強いるのは避けなければならない」と述べ、国会での議論を求めた。
また、小松あきら議員が質問した核兵器禁止条約の批准について、市長は「国も廃絶を目指す方向性は共有しているが、国際情勢を見ながら総合的に判断すべき」と述べ、慎重な姿勢を示した。加えて、旭川空港使用に関する考え方についても言及し、「民間機の運航を妨げない範囲で、自衛隊機の使用も考慮している」と発言。その一方で、空港利用の将来を見据えた対策が必要であると強調した。
地方交付税の見直しについても議員からの指摘があり、市長は「国の制度改正が地方財政に与える影響は大きい。適切な対策を求め続ける」とし、財政運営の厳しさを訴えた。
さらに、市長は、未来の旭川市の姿を描く「スマートウエルネスあさひかわプラン」についても言及。「市民が健康で安心して暮らせる環境作りが重要であり、特に高齢者向けの施策を充実させていく」との考えを示した。これに関して、議員から医療体制の整備や、地域での健康づくりが求められていることに応じて、市長は「地域の医療機関との連携を強化する」との決意をも表明した。
経済政策に関しては、農業支援や中小企業振興策が重要な課題とされ、特に新型コロナウイルスの影響を受けた観光業や一次産業支援が求められている。市長は「市独自の支援策を展開し、地域経済を支えるために努力を続ける」と述べた。
教育関連の施策についても多くの質問がなされ、特にいじめの防止策と不登校問題がクローズアップされた。市長は「いじめ防止対策推進部を新設し、教育委員会との連携を強化する」と明言し、具体的な対応策を検討していることを明らかにした。
最後に、新型コロナウイルス感染症の位置づけが変更されるにあたり、市長は「マスク着用についても個人の判断を尊重する方針だが、引き続き市民への情報発信や感染意識の向上に努める所存だ」と強調した。