令和2年12月11日、尾道市の第8回12月定例会が開催され、さまざまな重要事項が議論に上がった。
その中で、市民への安全対策や新型コロナウイルス対策が特に注目を集めている。平谷市長は、地域の感染拡大に鑑み、県と同一歩調を取る中で、尾道市独自の施策についても検討していく意向を示した。ただし、独自のPCR検査の実施については慎重な姿勢を崩さず、県内の医療資源を最大限に活用する考えを述べた。
経済対策として、これまでの尾道市独自の拠出額は約18億5000万円であり、特に事業継続特別支援金や地域振興商品券事業が大きな役割を果たしている。ただし、現状の財政運営には厳しさがあり、追加の独自施策には条件がつくことも考えられる。
また、観光産業などにおける感染確認対策についても疑問が呈され、事業者に対する検温実施の徹底を求める声が上がった。加えて、市民病院の入院患者数の管理や軽症者の受入れについても問題があり、医療体制の拡充が必要とされている。
さらに、千光寺公園頂上の展望台リニューアル計画に対する反対意見や、公共の資源をどのように扱っていくべきかという意見も議論の中心となった。特にコスト面や地域の魅力をどう保っていくかに難しい舵取りが求められる。
一方で、病院の統合についても重要な論点となった。特に、地域医療を維持するためには、市民病院とみつぎ総合病院の統合が必要との意見に対し、事業管理者は慎重な姿勢を見せた。今後の医療提供体制の役割分担や機能の一元化を含めた具体的な提案が期待されるところである。緊急に対応が求められる分野であり、迅速な議論が望ましい。
統合とそれに伴う新たな経営形態への移行が、地域医療の質と効率を向上させる鍵となるだろう。市民からの信頼を維持し、経済的にも持続可能な医療提供を実現するための方針が待たれる。