令和3年3月12日、尾道市は第1回定例会を開催した。この会議では、令和3年度一般会計予算及び各特別会計について、市長が総体説明を行い、出席した27名の議員との対話が行われた。
本会議の中で、市長の平谷祐宏氏は、移住・定住を促進するための施策について言及した。地域の活性化には人口の増加が不可欠であり、商業活動の活性化や、雇用の創出に直結すると強調した。特に、観光による交流人口の増加が鍵になるとし、その具体的な支援策についても述べた。市では、創業支援やオフィス移転促進事業が進められており、若手企業家へ向けた財政的支援も見込まれているという。
また、イノシシによる農業被害についても重要視されている。飯田照男議員が議論を喚起し、イノシシ捕獲や防護柵設置などの施策について具体的な数値を交えながら市長から説明を受けた。捕獲目標の見直しや、より効果的な捕獲手法の検討が求められている。
さらに、尾道市の魅力を高めるための新たな施策、特に観光資源の活用や地域資源の整備に関する発言も続いた。この中で市長は、地域の豊かな自然や文化遺産を生かした地域振興策が必要であるとし、計画的な施策の実施を誓った。
議会では、核兵器禁止条約に対する意見も挙げられた。平成29年には、尾道市として核兵器禁止条約へ早期の調印を求める意見書を採択した経緯があるため、平谷市長がその意義を再確認しつつ、政府に対し平和な世界の推進を訴えた。
このように、令和3年度はコロナ禍での厳しい財政状況にある一方、地域の振興や安全な生活環境の確保に向けた取り組みが続いていく。これらの議論を通じて、議員たちはさらなる具体的な施策の展開を求めていくに違いない。