令和2年9月10日に開催された尾道市の定例市議会では、一般質問を中心に多くの重要課題が議論された。
今回は特に、一般質問において、台風襲来時の既存ダムの治水活用について、基本的な議論が行われた。青嵐会の山根信行議員は、異常気象による災害が多様化している現状を指摘し、既存のダム施設の有効活用が求められると強調した。特に、洪水調節が重要な御調ダムや竜泉寺ダムにおける運用法が議題に挙がった。山根議員は、「ダムの放水量を適正に操作し、洪水被害から市民を守ることが必要である」と述べ、関連する具体的な質問を市長に投げかけた。平谷市長は、関連する協定の進捗や今後の計画について答弁し、早期実施を約束した。
また、行政から一環として復旧・改善への取り組みが示されたのも、みつぎグリーンランドの復旧に関する議論である。市長は、新型コロナウイルスの影響でキャンプ人気が高まる中で、迅速な営業再開が必要であると答え、復旧に向け努力を続ける意向を示した。山根議員は、「自然の中で過ごせる期間を増やすためにも、早急な復旧が重要だ」と述べた。
さらに、昨今のイノシシや鳥獣による農作物への被害についても、村上隆一議員によって触れられた。村上議員は、長崎県の成功事例を挙げ、ICT技術を使った被害対策の導入を提案した。市長は、技術の導入の必要性に同意し、試行的な導入を進める方針を述べた。特に、「高齢化が進む中、地域社会全体での対策が求められている」と強調した。
さらに、新型コロナウイルス感染防止策も重要なテーマとして議論された。前田孝人議員は、感染防止策の見直しや、市民へのPCR検査の提供について市のスタンスを尋ねた。市長は「県の方針に沿い、状況に応じて検査体制を整備していく」として、感染拡大の防止策と市民生活の安全を確保する意義を述べた。
このように、尾道市議会では、災害対策や市民生活の安心安全に向けた多くの議論が行われている。各議員は、地域の未来に向けた提言を行い、市長もまた、一ヶ月後の会議に対する準備を示唆した。市民の視点を忘れない、責任ある政策が今後も期待される。