令和4年3月17日、神石高原町議会において、一般会計の予算審議が行われた。本年度の予算は、昨年度よりも約6%の増加を見込んでいる。
審議において、ある議員は交通安全推進費について言及し、「高齢者や子供の交通安全対策は不足している」と指摘し、具体的な対策が求められた。これに対し、総務課長の瀬尾浩康氏は「サポカー補助制度の実績を評価しつつも、後付けの安全機能について普及啓発を強化する必要がある」と述べ、新年度にはより多くの啓発活動を行う考えを示した。
次に、JINプレミアム事業についての質疑が続いた。柏床由夫議員は、「交通手段の確保は重要であり、利便性の向上が急務である」と強調し、町の公共交通機関についての改善を求めた。副町長の森重純也氏は「現状の利用状況を踏まえながらも、地域の要望に応えられる形での改善策を検討する」と話し、前向きな姿勢を見せた。
また、災害対策費についても多くの意見が寄せられた。疫病の影響を受ける中で、避難所運営の指針作りが進められていることが紹介された。住民からの不安の声にも真摯に耳を傾けながら、各課の連携を強化する姿勢が印象的であった。
特に、地域おこし協力隊の活動は注目され、そのデジタル化推進策として地元の伝統文化をアーカイブする試みが危機感をもって進められている。総務課の堀田仁氏は「文化資源をデジタル化することで、地域の魅力を再発見し、町内外に発信する努力をしている」と述べた。
一方では、こばたけ保育所の移転新築についても議論され、増加する待機児童に対応するための府民ニーズに応える形で進む整備について、地元での理解が得られるような情報発信が求められた。赤木愁子氏は病児保育の設置後、医師との連携を強化する考えを示し、保護者の懸念を払拭するよう積極的に取り組むことが必要とされた。
新たな試みとして、神石高原町は地域の観光産業振興も視野に入れ、恋人の聖地登録を目指す事業を計画している。地域内の活性化に向けた具体的な施策が期待される中、地元の業者と連携したイベントや体験プログラムの導入が考えられている。観光振興策について、森重純也副町長は「他町との競争に勝てる魅力的なプランを持ち寄り、地域の独自性を発揮させていきたい」と力強く語った。
最後に、予算審議の中で提案された多様な施策は、住民にとってよりよい生活環境を実現するための基盤を築くものであり、今後の進展が期待される。