令和5年第3回9月定例会が東広島市議会にて開催され、様々な重要な議題が取り上げられた。特に注目を集めたのは、市長の高垣廣徳氏が述べた半導体関連産業の集積に関する方針である。
市長は「本市は、半導体関連産業が集積する地域であり、今後は半導体エコシステムを構築する必要がある」と強調。高度人材の育成やサプライチェーンの強化が不可欠であるとし、令和6年度には大規模投資の支援や人材育成に向けた具体的な要望を国や県に行う方針を示した。これにより、半導体メーカーを中心としたさらなる企業誘致が期待される。
また、市の関係機関との連携も重要なポイントであり、半導体関連事業者との情報交換の場としての役割を果たす「東広島半導体フォーラム」が、先月に実施された際には、42団体が参加した。このフォーラムによって、新たなビジネス機会の創出が進むと見込まれる。
さらに、半導体産業の急成長に伴う人材不足も大きな課題であり、高度人材の確保に向けて、国や大学との連携が進められている。高垣市長は「半導体業界で必要なスキルを持った人材の育成に努める」と述べた。
一方で、市役所に関しては、第2庁舎建設計画が進行中だが、慎重な議論が求められている。議員からは「人口減少とDX化が進行する中で、従来の行政スタイルは見直すべき」との指摘があがり、今後の方向性について市民との意見交換を重視する姿勢が示された。
また、スポーツに関する施策として、誰でも身近な場所で容易に楽しむ環境づくりが取り上げられた。市内では新たなスポーツ施設の拡充を進めており、特に廃校になった施設を活用した取り組みが進められている。これに対し地域団体からの要望も多く寄せられ、スポーツ団体との協議を通じてさらに充実を図る方針となっている。
農業に関連しては、農地の維持についても言及され、所有者不明の農地の面積が増加している状況が報告された。これに対する対策として、市としては農地パトロールを強化し、所有者不明農地を削減するための支援を強化する意向が示された。
このように、今後の市政運営にあたっては、半導体産業の集積や公共施設のあり方、スポーツ環境の整備、さらには農業政策に至るまで、多面的なアプローチが求められている。論議を重ねながら市民の声を反映し、持続可能な地域づくりへと邁進することが期待される。