令和3年第2回東広島市議会の一般質問が開催され、議員たちは多岐にわたる議題について議論した。特に注目されたのは、ヤングケアラー支援とスマート農業の推進であり、それぞれ市民の生活と地域農業に重要な影響を及ぼす施策として位置づけられている。
ヤングケアラー支援に関しては、まず、学校における個々の相談システムの整備が挙げられた。教育長の津森毅氏は、家庭内の状況を把握するために、定期的な個人面談やスクールソーシャルワーカーによる支援が行われていると説明した。具体的には、ヤングケアラーとされる生徒が家族の世話をするために欠席する場合、家庭訪問によって状況確認を行い、必要な支援を提案することが重要であると強調した。
また、本市が行った調査によると、広島県内で小学5年生の約17人に1人、中学2年生の約25人に1人がヤングケアラーであることが確認された。この実態を踏まえ、学校全体で子どもたちの状況への理解を深め、それに基づく支援体制の強化を図っていく必要があるとして、今後の教育方針にも影響を及ぼす可能性がある。
次に、スマート農業については、担い手不足の解消に向けた取り組みが確認された。市の産業部長である鈴木嘉一郎氏は、スマート農業の導入により、労力軽減や生産性の向上を目指していると述べた。特に、ドローンを利用した防除作業や、ラジコン草刈り機の導入など、実証的な取り組みが進行中であり、地域の農業法人も積極的に関与していると説明した。
しかし、現状では、約半数の集落法人がスマート農業支援制度を利用していないという課題も浮かび上がった。農業の現場では、高コストの機器導入に対して消極的な意見が多く聞かれ、今後は具体的なメリットを示すことで、より多くの法人に技術の導入を促す努力が求められる。
また、東広島流通センターの在り方も重要な議題の一つであり、市は地域の生産物の流通機能を強化し、地産地消を進める方針を示している。センターの機能強化や新たな販路開拓が求められる中、市民の理解を得るため、マルシェの開催など、積極的な試みが検討されている。
このように、ヤングケアラー支援、スマート農業の普及、流通機能の 強化など、多主題にわたる議論が行われ、地域社会の活性化に向けた施策が模索されている。今後は、これらの施策が具体的な成果を上げ、市民生活の向上につながることが期待される。