令和5年12月21日に開催された全員協議会では、アリゾナ州立大学等への視察調査報告が中心に取り上げられた。
この日の協議では、11月に実施された視察の内容とその意義について、詳細に解説された。高垣市長は挨拶の中で、視察で得た多くの知見が今後のまちづくりに活用できる可能性を示唆した。
特に、アリゾナ州立大学と地元テンピ市との連携には目を見張るものがあった。市長は「想像を絶する規模で展開されており、大変刺激を受けた」と強調し、同大学の取り組みが地域発展に寄与する様子を称賛した。
視察には、栗栖経営戦略担当理事が中心となり、各地を訪れた経緯や成果を報告した。栗栖氏によると、視察先はオレゴン州のポートランド市やアイダホ州のボイシ市を含む9日間の旅で、アリゾナ州のフェニックスではスタートアップ企業の集積状況を確認したという。
栗栖氏は、ポートランド市の都市計画には、「進化し続けている」とし、環境に優しい「ウォーカブル」なまちづくりを行っていることに触れた。さらに、同市における公共交通機関の整備や緑地の確保などが、住みやすさに寄与していると解説した。
ボイシ市でのマイクロン・テクノロジー社との懇談についても触れ、今後の投資を期待する内容が報告された。栗栖氏は、「ボイシにおける半導体産業の成長が本市の発展にも寄与する可能性がある」と述べ、市と企業の連携が鍵であると指摘した。
また、アリゾナ州立大学では、国際的な人材が集まる背景には、地域社会への貢献を重視した教育方針がある点に着目された。市長は「この大学の取り組みが、地域課題の解決に寄与している」と結論づけた。
今後の展望として、市からもアリゾナ州立大学のような学際的な取り組みを育む必要性が強調され、本市における次世代学園都市の実現に向けた方針が示された。視察結果を受けて、東広島市も新たなイノベーションを生み出す仕組みを強化し、多様な企業との関係性を築いていく必要があることが議論された。