令和2年第3回東広島市議会定例会が9月2日に開催された。出席議員は28名で、定足数に達している。議会はこれからの運営が円滑に行われることを期待しているとのことだ。
冒頭、議長の乗越耕司議員が開会を宣言した。開会にあたり、高垣広徳市長が新型コロナウイルス感染症に関する国際情勢について言及した。国際通貨基金(IMF)は経済見通しを下方修正し、マイナス4.9%になるとの予測が示された。各国の経済回復が鈍化している中で、感染拡大防止と経済活動を両立させることが益々難しくなっている。
市長は国内情勢についても触れ、内閣府が発表した実質GDPがマイナス7.9%であることを強調。雇用環境が悪化し続けているため、慎重な対応が求められると述べた。また、感染者数は本市で4人にとどまり、大規模な感染拡大は避けられていると報告した。この成果は市民や事業者の協力によるものであると感謝の意を示した。
次に、自宅待機などを余儀なくされた市民を支える施策が話題に上がった。市長は身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いの励行を呼びかけ、特に高齢者や基礎疾患のある方には注意をしてほしいと注意喚起した。新型コロナウイルスに対応する新しい生活スタイルを取り入れることが必要であると強調された。
さらに、SDGs未来都市計画の策定についても言及があった。本市は「誰一人として取り残さない」という理念のもと、さまざまな施策を展開することを確認。2030年に向けた4つのビジョンについての具体的な取り組みが計画されており、大学と連携したプロジェクトも進行中であることが述べられた。
また、本定例会では53件の議案が提出されていることが報告された。主な議案として、専決処分に関する承認案や、人権擁護委員候補者の推薦、固定資産評価審査委員会委員の選任に関しての同意案が含まれる。この他にも、財産の無償譲渡や無償貸付けに関する議案が多数提出されている。
新型コロナウイルス感染症対策に係る予算は総額230億円余となっており、迅速な執行が求められている。議会の審議は今後も続き、地方自治体としての機能を維持しつつ、地域の安心安全を確保することが期待されている。