令和3年第3回9月定例会が東広島市議会議場において行われ、多くの重要な議題が討議された。特に注目されるのは、「農を起点とした多様なビジネスの創出とブランド化の推進について」が議論されたことだ。
この議題では、東広島市の食料支出額が600億円を超し、農産物の消費が300億円近くに達している現状が指摘された。13番の玉川雅彦議員は、「地元の農産物を消費する動きがある一方で、生産者の収益向上には課題が残る」と述べた。生産と消費を結びつける取り組みの重要性が強調され、特に出荷機関の拡大が必要であるとされている。
また、地鶏のブランド化に向けた具体的な支援策についても質疑が行われた。市長の高垣廣徳氏は、「東広島こい地鶏事業に期待している」と発言し、農業分野の経営安定につながると力を込めた。ブランディングの成功により、観光業や地域経済に与える影響が期待される。
さらに、「GIGAスクール構想の実現について」も重要なテーマの一つとして挙げられた。教育長の津森毅氏は、「ICT環境の整備が遅れている中で、公正で個別最適化された学びを実現するために教職員の指導力向上が求められる」と述べ、全ての学校におけるネットワーク整備の進捗状況が報告された。特に「誰一人取り残さない学び」を支えるための施策が求められている。
一方で、認知症施策の充実についても議論された。牛尾容子議員は、「若年性認知症への支援が不足している現状」を指摘し、市が行っている施策を見直す必要性を強調した。この問題は高齢化社会における重要な課題であり、地域での意識向上と支援体制の整備が急務である。
また、災害に強い地域作りについても注目された。過去の事例を踏まえ、自然と共生しながらの地域力強化が求められる。市長は「伝統的な知見と新技術を融合させることで、持続的な治水対策が可能になる」と述べ、具体的な取り組みを進める姿勢を示した。
このような議論を経て、地域経済、教育、健康、災害対策の各分野において、市が進める施策が市民の幸福度向上につながるよう期待が寄せられている。市は多様なニーズに応じた施策を展開し、持続可能なまちづくりを目指していく方針を示した。