令和4年6月14日に開催された東広島市議会では、多様性や地域資源の活用促進が主な題材として取り上げられた。
特に注目されたのは、パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度の導入についてである。この制度は、LGBTQなど性的マイノリティの権利を保障するもので、市内における制度の調査及び検討状況が報告された。市長の高垣廣徳氏は、全国の213の自治体が導入していることを受け、本市でも制度の必要性を感じていると述べた。市としては、まずは市民の理解を深めるため、教育や啓発活動を進め、公平で多様な社会の形成を目指すと強調した。
次に、ひきこもりに関する支援の現状についても言及がなされた。本市ではひきこもり支援ステーション事業を進めており、相談件数は徐々に増加傾向にある。福光直美健康福祉部長は、農作業を通じた交流の場を設け、地域社会との結びつきを強化する取り組みを続ける意向を示した。また、学校や医療機関との連携を深め、包括的な支援体制を強化することも計画されている。
育休中の保護者に関する育休退園の制度改善案も議論の一環として議題に上がった。こども未来部の多賀弘行部長は、本市の待機児童の現状を踏まえた上で、育休退園が一部の年齢層に適用されることの意義を説明した。特に2歳以下の児童に対するサービスが圧迫されていることから、保護者の家庭環境や育児におけるニーズに応じた制度改革を進める意向を示した。
さらに、委員会では公共交通の現状とその運営体制についても意見交換が行われた。惣引文彦地域振興部長は、公共交通の多様化と持続可能性が地域の活性化に寄与することを強調し、特に交通結節点の整備が進行中であることを説明した。地域住民が自ら交通手段を育てるための意識改革が重要であり、地域主体の取組の喚起が急務だと認識しているとのことだ。
議会では、各議員から今後の具体的な施策として「パークアンドライド」や「カーシェアリング」といった新たな交通手法の導入についても提案がなされた。公共交通の課題に対応し、地域内外の関係者が協力して取り組む姿勢を示す重要な会議となった。これらの施策の実施によって、東広島市はより住みやすい多様性あふれる都市になることが期待される。