令和2年第2回東広島市議会臨時会が、7月29日に東広島市議会議場で開催された。
会議の冒頭、議長の乗越耕司氏が議員たちの出席に感謝し、臨時会の趣旨説明を行った。特に、今月3日からの豪雨災害に対するお悔やみを述べ、亡くなった二人の命が失われたことへの痛惜の意を表した。高垣廣徳市長は、災害からの復旧・復興への決意を新たにしつつ、現在も感染拡大が続く新型コロナウイルスへの対策が急務であることを強調した。
市長は、新たな日常を定着させるため、市民活動の再開が求められる中、追加の補正予算案の提出を前提に臨時会招集を決定したと説明した。この補正予算案は「生活者支援」「教育支援」「事業活動支援」「デジタルトランスフォーメーションの推進」の4つの柱を中心としている。特に、生活者支援においては出産を控えた妊婦に3万円を支給するなど、環境整備を行うとした。
教育支援の一環としては、小中学校の特別教室に空調設備を整える計画があり、その目的は感染症対策として分散授業を可能にするためである。また、事業活動支援として、家賃負担軽減のための支援、消費喚起キャンペーンの実施が挙げられた。
この補正予算案に関して、財務部長の江口和浩氏は、歳入は160億681万5千円、歳出は141億2千996万7千円となり、両者の補正後の総額はそれぞれ1,141億996万7千円に達すると報告した。具体的な支援内容については、地域情報化推進事業など非常に多岐にわたる。
一方で、反対意见も寄せられた。議員の谷晴美氏は、新型コロナウイルス対策に過度に焦点を当て、災害に対する危機管理の強化を怠ってはならないと警鐘を鳴らした。経済活動の回復と同時に、災害対策も進めるべきとの主張を展開した。賛成意見を述べた宮川誠子氏は、今回の補正予算が31億円を超える規模であることに高い評価をつけ、新しい通信インフラの整備がいかに急務であったかを強調した。
最終的に、議案第148号「令和2年度東広島市一般会計補正予算(第5号)」は、全会一致で可決した。市長は会議の閉会に際し、議員たちの協力に感謝の意を表し、今後も市内経済の浮揚に全力を挙げて取り組む姿勢を明らかにした。議長は、次回の議会に向けた取り組みを引き続き進めるよう協力を呼び掛けて閉会した。
このように、臨時会では新型コロナウイルス対策を中心に、経済の活性化に向けた具体的な支援策が議論され、議案は無事可決に至った。